葬儀という仕事

先日下の坊主より少し年上な子供から、「お金いっぱいもらってるの?!」とあどけなく言われました。
爪に火を灯すような生活ではありませんが、決して裕福ではありません。本当に。
サラリーマンといえば、本当に平均的な収入かと思います。その子の親御さんは超大手自動車メーカーさんらしいので
お父さんよりは全然もらっていないのだよ。とひそかには思いました。

サービス業といえばサービス業なのでしょう。
心の底から笑い、おめでとうございます!と言うことは決してない仕事です。
口にしてはいけない言い回しもあれば、言葉のトーンでさえ気を使います。
異質といえば異質で、曜日の間隔が薄れ、「友引の前日だから早く帰れるかも」とか思うようになります。
では、この仕事をしていてどうだったか。それは胸を張って言えます、良かったと。
たくさんの人の死に触れました。冒頭で申し上げた件数は担当した数なので、他の施行も合わせれば有に千件は超えるでしょう。
この仕事をしていない自分に比べ、人の命がいかに儚いかを少しは知ることができました。
故に、この仕事をしていない自分に比べ、今いる周囲の人が生きていることのありがたさを知っています。
当たり前では無い、何もない日常に幸せを見つけることができたのは葬儀社という仕事ならではだと思います。

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