社員ブログ

名古屋の葬儀担当者の触れた物語 24

西田葬儀社の浅井です。

昨年の秋でした。二年前にお葬式のご依頼をいただいた方から
改めてお葬式のご依頼の話。

当時お話をさせていただいたのと同じく立派なご自宅に
伺い、段取りを決めていると、施主様おっしゃいます。
「この家から出してあげたいんだ」
前回と同じく式場でと思っていただけに、困ったな。と思いました。
それはもちろん葬儀屋目線で手間がかかるなどが、原因ではなく、
住宅街に立つ自宅の立地、なによりお仕事がお医者さんだったので
望まれる所である家族葬の運営が難しいのではないのかな。というところでした。

様々な理由を伺い、強い気持ちを確認できたので
もちろんご要望にお応えする形式になりました。
お棺が通るのか。診療の兼ね合い。動線の想定などなど。

最近、葬儀というと葬儀会館で行うのが要望の多くだと思います。
なぜなら、葬儀会館は葬儀に特化した会館なので、設備も整い、
不安な心情を支える為に快適に過ごしていただける配慮がそこかしこにあります。
ですが、人の気持ちは十人十色。すべてにおいて合理性を追求するものでもありません。
棺が通らないのなら、出棺間際まで納棺を避けてはどうか。
お別れする場所が確保できないなら、パーテーションを使い一時的にでも
パーソナルな空間を準備できないか。
お寺で送りたい。となれば相応に経験知識も必要で。
少なくなったとはいえマンションの集会所で。なんてこともあります。

なので弊社は、他社さんに比べて式場以外でのお葬式のご依頼の割合が
多いように感じます。痒いところに手が届く。
柔軟性のある対応力は自負があります。

しかして、ご自宅のお葬式は進行していき、ご依頼者の意図を汲み取れた気がした事があります。
昼前のお葬式。予約のキャンセルをしたとはいえ、不意に来訪されるのが医療というもの。
読経中も、柩の蓋をお開けしてのお別れ中も先生は席を外します。
喪主である。ということはおくびにも出さずに。
断れない。のではなく、断らない。のだろうなと思いました。
だからこそ、家から送りたい。とおっしゃったのだと気づかされました。
頼ってくる人がいるだろうから。困っている人を助けたいから。
立派。などという言葉はおこがましくて言えません。
ただただ胸を打たれました。

コロナ蔓延の折、医療従事者の方のご苦労は想像を絶するものだと思います。
そんなことを考えた時、その先生の顔が思い浮かびました。

  • この記事を書いた人
浅井 真人

浅井 真人

一番大切な人とのお別れを、自信をもって満足していただくお手伝いさせて頂きます。

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