名古屋の葬儀担当者の触れた物語 5

西田葬儀社の浅井です。

先日、久しぶりに映画を観にいきました。
コロナに配慮された映画館で、有名な少年の活劇を子ども二人と拝見しました。

子ども向けと侮る事なかれ。
大人も感動できると言われるのがわかります。なんとなく。

物語はですね。
街中の人が、ある王国の不思議な力で壁に封じ込められてしまいます。
壁に封じ込められた人を元通りに戻すことができるのは一本の特別なクレヨンのみ。

主人公の男の子はそのクレヨンをもって、街中の人を壁から救います。
見知らぬ人も誰も彼も。そんな騒動の中、不意に紛失するそのクレヨン。
物語はクライマックスに向け進みます。
空から、お城が落ちてくる。天空の何某みたいですね、街はてんやわんやです。

一方、そのクレヨンを主人公の友達の男の子が拾います。
男の子はもう、わずかしかないクレヨンを自身のお母さんの壁からの救出に使いきります。
そりゃ、お母さんが壁に閉じ込められたら誰だってそうします。

落ちてくる城。パニックの中判明したのは、その城を止めることができるのは
不思議なクレヨンのみ。人々はどこにあるか、誰が持っているのかを突き止め
主人公の少年を問い詰めます。なぜ無くしたのか。
自身が少年に助けられたにも関わらず。
友達は言います。拾ったのは自分で使い切ってしまった。そして続けます。
ごめんなさい、と。
人々は友達の少年に言います。
なんてことをしてくれたんだ。親は何をやっているんだ。
さっき助けてもらった事などなかったように。

おびえる二人の少年の内、主人公の少年が口を開きます。
しょうがないよ、お母さん助けたかったんでしょ?
自分の命と、住んでいる街と、家族とが危機に晒され、なおかつ大勢の大人に罵声を浴びせられても
友達を許すことができた少年に胸をぎゅっとされました。

何か悪いことがあった時に、人を責めたくなるものです。
責任の所在を突き詰めたくなるものです。どうしようもないのに、言葉を突き刺すことがありませんか。
かくも小さな男の子が、他人を許しているのに。

マスクのおかげで、特に何気なく映画館を出られるようになったのはいいな。と思いました。
お城はどうなったかって?それは観てのお楽しみってやつでしょう。

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