社員ブログ

名古屋の葬儀担当者の触れた物語 3

西田葬儀社の浅井です。

思い入れのある葬儀は?そう聞かれて思い出すのは
いくつかあるのですが、祖母の葬儀もひとつ印象に残っています。

もう三回忌も二年前に済んでいるのでずいぶん経ったな、という印象です。
母方の祖母、おばあと呼んでいましたが、私がいいおっさんなので、まあまあ高齢でした。
父方の祖母は私が産まれる前に他界している為、中学生になるくらいまでよく面倒をみてもらいました。
よくある孫煩悩で、色々とわがままを聞いてもらったのを覚えています。
おばあは高齢にも関わらずタバコをガッツリ吸うので肺を患い、最後は苦しそうでした。
もう危ない、という夜に会いにいくと、「もうええ」としきりにつぶやくおばあの言葉が
こんな夜に集まらんでええから帰りな、なのか。薬で延命されたことについて
もうええ十分してもらった、楽にしてくれ。なのか、いまだにわからずじまいです。

当時会社にはわがままをきいてもらいました。それは、社員の家族の葬儀は、遺族たる社員には担当させない事。
という暗黙の了解があるのですが、おばあはどうか私に送らせていただけないかという無理を通していただけました。
許可をいただいた上司と、接待に入ってくれた女の子には今も感謝の気持ちがあります。
もちろん、このルールは会社からの配慮ではあるのです。とフォローさせてください。

高齢なおばあですからね、ある意味淡々と進められると思っていました。おいらも立派な葬儀屋さんなんだぜ、おばあ。と。
いざ式をしてみると、思い返せば「そうかこんな風になるから担当させないルールあったんだ」と思えます。
いつもご遺族に伝える口上が、つまって言えない。嗚咽に交じってろくなもんじゃない。
まだまだ半人前だったわけです。

全て終わってお袋に「おばあは、あんたに送って貰えて幸せだったと思うよ」と言われました。
おばあ、本当かね?

  • この記事を書いた人
浅井 真人

浅井 真人

一番大切な人とのお別れを、自信をもって満足していただくお手伝いさせて頂きます。

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