名古屋の葬儀担当者の触れた物語 2

西田葬儀社の浅井です。

先日、休暇中に一本の電話が入りました。
登録のない番号でしたが、名前を覚えていただいていて二年ぶりに声を聞く方でした。
暑い時期、お父さんを送らせていただいた方で、お母さんが先程息を引き取られたとのこと。

ぶっちゃけると、そこでの私には選択肢がありました。
休みなので、今、出社している社員にお願いをして翌日の出社からの対応を約束すること。
当然、信頼の置ける同僚にお願いをするわけですし、道理としては問題がないものです。
もう一つ。当時私は名古屋に居ましたし、予定があるわけではなかったので、
だらけた格好から背広に着替えるのは造作もなかったわけで。
まぁ、おのずと選択する方はおわかりいただけると思います。
自然と、電話口ですぐにお伺いします。と応えるわけですね。

お伺いしてから、葬儀中もしきりに気を使われます。「浅井さんお休み中に申し訳ない・・・」
全然そんなことないんですけどね。いい人ぶるわけではないのですが、そりゃ休みにゆっくりするもんですが
なにより、頼ってもらえた事が嬉しかったので。覚えていただいたことが。
また、私なんかにお願いしたいと思っていただけたことが。
これは、恐らくですけど、日本全国の葬儀担当者が思うのではないでしょうか?
リピーターの方への気持ちが、大きくなること。
いや、もちろんリピーターでなくともぬかりなくお手伝いするのは当然ですが。

誇張ではなくて、その葬儀の喪主様は本当に偉大な方でした。
長い時間、思う家族への、自らを伏せて生きることが、果たしてどれだけの人にできるでしょうか?
私には到底及びもつきません。だからこそ、そんな方だからこそ心残りのないお別れの手伝いができればと
そう思いました。

通夜も葬儀もせわしなかった方でした。今も変わらず奔放されている事かと思います。
一人の人間として、男として、息子として大きく勉強させていただきました。

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