人形供養の意味や起源を分かりやすく解説します
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人形に愛着を込める人は、今も昔も多くいます。日本の文化と民族性を表す人形供養は、長年にわたり大切な人形に対する感謝の気持ちを表す行事として行われています。
「人形はただのモノじゃないような気がする」
「ゴミとして処分したらバチがあたりそう」
など、私たちはどうして人形に想いや情を感じてしまうのでしょうか。
この記事では、人形供養の意義や歴史を解説し、西田葬儀社が取り組む人形供養についてご紹介いたします。
もくじ
人形供養とは
人形供養は、長年愛された人形やぬいぐるみを供養することです。
日本人は古くから、あらゆるものに魂が込められていると考えてきました。古代からのアニミズム、自然崇拝の感覚は、現代人の私たちの中にも沁みついていると自覚している人も少なくないでしょう。
人形やぬいぐるみを家族の一員として大切にしている人は少なくありません。大切な家族だからこそ、処分を余儀なくされた時に、ただゴミとして出すのではなく、きちんと供養をしようと考えるのです。
人形供養は、主に神社や寺院で行われます。まず参拝者が持ち込んだ人形を僧侶や神職が一連の儀式を執り行って供養します。供養を終えた人形は焼却処分されます。
人形供養は、これまでずっと大切にしてきた人形に対して感謝を込めるための儀式だと言え、処分という後ろめたさを解消してくれる効果があります。
人形供養はいまでも根強く行われており、最近では、インターネットや郵送による遠隔参加も可能で、日本の伝統文化が幅広い層に広まっていることを示しています。
人形供養を行う意義
元来、日本人は森羅万象、万物に霊魂が宿ると捉えます。供養一つとっても、「針供養」「鋏供養」「眼鏡供養」「写真供養」「印章供養」など、モノに対する供養もさまざまです。
そんな中でも、人の姿をしている人形、あるいは愛着あるキャラクターのぬいぐるみなどは、情の移り方が違います。
だからこそ、僧侶を招いて供養をして、人形やぬいぐるみに込められた念や情のようなものを浄化させることで、心置きなく処分ができるようになるのです。
また、さらに詳しく見てみると、供養の理由にも、さまざまなものが挙げられます。
成田山仙台分院のウェブサイトに掲載されている「人形供養学術論文」によると、人形供養の多くが、自分または家族のものを供養に出し、その理由は「感謝・愛着」「贖罪・謝罪」「道徳・倫理」「厄除け・浄化」「願掛け」に分類できるのだそうです。
成田山仙台分院のウェブサイトはこちらから。
人形供養の歴史
古くからおこなわれている人形供養ですが、その原型は古くまでさかのぼることができるそうです。
淡島神社(和歌山県和歌山市)
人形供養では、和歌山市にある淡島神社で行われる「ひな流しの神事」が有名です。
ひな流しは、古くから日本各地で行われる行事で、ひな人形を川や海に流して厄や災いを祓うとされています。淡島神社のひな流しの神事は、春の訪れを祝い、人形を通じて願いを込める風習が受け継がれています。
もともと病気平癒や子授け、安産など、女性にご利益のある神社として知られていました。
3月3日の桃の節句には、女性が自身の身代わりとして紙製の「形代」をお祓いしてきましたが、1962(昭和37)年より、現在でも行われている海への「ひな流しの神事」をはじめたそうです。
当日は多くの参拝者が淡島神社を訪れます。まず参拝者が持ち込んだひな人形を神職に預けます。その後、神職が人形に祈りを捧げ、無病息災や家内安全、商売繁盛などの祈願を行います。
祈りが終わると、ひな人形は小舟に乗せられ、神職によって川や海に流されます。このとき、人形が遠ざかることで厄や災いが祓われ、無病息災や家内安全が得られると信じられています。
ちなみに、ひな流しの風習は、『源氏物語』にもその原型を見ることができます。雛人形は女の子の健やかな成長を願い、その身代わりとして飾られています。
身代わりになる、ということはそこにさまざまな想いや念が込められることとなり、だからこそ神職によってきちんと神事を執り行い、そしてひな流しをして供養するのです。
長福寿寺(千葉県長生町)
長福寿寺の人形供養は400年以上の歴史を持つ由緒正しい行事です。室町時代末期、長福寿寺の住職である豪仙學頭は、若くして名僧として知られ、織田信長の焼討ちで荒廃した比叡山を再興したほどの人物です。
ある時、若い娘が寺に訪れ、祖母が作った大切な人形を供養したいと依頼しました。豪仙學頭は、十一面観音様の御前で3ヶ月間、丁寧に供養し、人形は成仏しました。
そのことを聞いた娘は心底喜び、この噂が広がり、近隣の村々からお人形が持ち込まれるようになりました。
以来、長福寿寺は人形供養専用の御堂を建立し、人形抱き観音様の御前で3ヶ月間読経供養し、境内にある専用の「人形火葬炉」でお焚き上げ(火葬)されています。
本格的な普及は戦後から
いまのように、日本中で人形供養が行われるようになったのは戦後のことだと言われています。人形の処分に困った持ち主が、東京の人形製造会社に相談したことが始まりのようです。
西田葬儀社による人形供養
西田葬儀社は、創業以来、人々の大切な家族の葬儀やお別れの儀式を手厚くサポートしてきた葬儀社です。長年にわたる経験と実績を持ち、地域密着型のサービスを提供しています。そんな弊社でも、定期的に「人形供養祭」を開催し、多くのお客様にお喜びをいただいています。
西田葬儀社の人形供養は、お客様の大切な人形に対する想いを大切にしながら、丁寧に供養の手続きを進めていきます。
お客様からお預かりした人形を、弊社会館に並べて、僧侶を招いて読経を頂き、人形に込められた持ち主様の想いや情を供養し、浄化します。その後、お寺や神社での人形供養が行われ、無事に供養されたことが確認されます。
実際に会館に人形を持ってこられた方の中には、
「70年間見守っていてくれてありがとう、これからも見守っていてね」
と、感謝の言葉を述べる方もいます。
また、祭壇に並ぶたくさんの人形やぬいぐるみを前にして、
「こんなに綺麗に手入れをされていたのね」
「このキャラクター懐かしいわ」
などと、自分以外でない、他の方の人形との思い出やストーリーを想像され、自身と重ねる方も少なくありません。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃は、「人形供養をしたくても外出ができない」などの声が寄せられました。
そこで弊社では「出張人形供養」を実施。Uber Eats、出前館、Amazonなどの宅配サービスが普及している中、弊社も、ご連絡を頂いたお客様のもとに人形を引き取りに伺いました。
また、供養祭当日の様子をYouTubeでライブ配信するなどして、高齢者の方、足腰を悪くされている方々からも、お喜びの声をいただいています。
(※実際の配信の様子はこちら)
人形には、自身の、そして家族の思い出がたくさん詰まっています。
だからこそ、きちんと供養をして差し上げることが、人形にとっても、お客様自身にとっても、心が満たされる形でお別れができるのだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人形供養についてお分かりいただけたかと思います。
西田葬儀社は、人形供養を通じて地域社会に貢献し、地域の皆様の心のケアに努めています。人形供養が日本の伝統文化として受け継がれていく中で、西田葬儀社は新しい時代に合わせた取り組みを進め、多様なニーズに対応していくことを目指しています。
なお、出張人形供養はこちらからお申し込みいただけます。
ぜひご利用くださいませ。
(※出張回収は名古屋市昭和区・瑞穂区・天白区・南区在住の方を対象としております。詳しくはサービスページをご確認ください)
これからも西田葬儀社は、人々の大切な人形に対する想いを尊重し、心を込めた人形供養を提供し続けます。供養を通じて、お客様と大切な人形とのつながりを大切にし、安らぎと感謝の気持ちを伝えることができるよう、スタッフ一同、努力してまいります。