お葬式のギモン

昔から使われている「葬儀の電報」~その基本と現在の電報について

更新日:

「情報伝達の手段」は、日進月歩です。そしてその「情報伝達の手段」の移り変わりによって、葬儀のときの情報伝達のやり方も変わってきます。たとえば40年前ならば葬儀の情報伝達は電話で行われるのが一般的でしたし、20年ほど前にはメールなどが使われていましたし、ここ数年はLINEなどに代表されるSNSがよく利用されるようになりました。しかし新しい情報伝達手段が出たとしても、それまでにあった情報伝達手段が完全に駆逐されるわけではありません。
ここでは、そのような「新しい情報伝達手段が出た後でも駆逐されることのなかった『電報』という選択肢」を取り上げて、その基本知識と送り方、現在の電報のバリエーションについて解説していきます。

電報とは何か

まず、「そもそも電報とは何か」から考えていきましょう。
日本の電報の歴史は、1869年に始まります。日本で初めての電話サービスが開設されたのは1890年のことですから、電報は電話に先駆けて作られたサービスだといえるでしょう。ちなみに、電報も電話も、初めは全国展開ではなく、東京~横浜間のみでしかやり取りができませんでした。また、当時の電報は「送られてきたモールス信号を解読、手書きで記す」というやり方でした。しかしそれでも、情報伝達の手段の大部分を手紙に頼っていたこの時代においては、電報の伝達速度の速さは驚嘆に値するものでした。電話が一般的ではなかった時代、電報は多くの人に緊急連絡を速やかに届け、また多くの人の弔意をご家族と故人に伝えるものでした。
通信手段と通信網が著しく発達した現在においては、電報が「緊急の連絡手段」として使われることはほぼありません。電話を使えば済むからです。また電話ができない時間帯であっても、メールを一本送ればよく、「訃報をいち早く伝えるための手段」としての電報の存在価値はほぼゼロになったといえます。

しかし電報は葬儀の現場から駆逐されることはありませんでした。今でも、「遠方に住んでいてどうしても葬儀に参列できない場合に弔意を示す方法」「家族葬であり、かつ供花・供物・不祝儀も辞退されたが、気持ちをお渡ししたいときに使う方法」として電報は使われ続けています。
電報は、供花・供物とは異なり、場所を取ることがないので、会場が狭くなりがちな家族葬であっても受け取りやすいという特徴があるうえ、供花・供物・不祝儀とは異なり、お返しをする必要もありません。このため、家族葬で「お供えや不祝儀は辞退する」としているご家庭であっても、弔電のみは辞退していないうこともよくあります(※明確な「弔電辞退」の意向が出されていない限りは、弔電に限ってはご家族の意向を聞かずに送ることができます)。また、議員の多くは日々訃報をチェックし、葬儀に電報を送っています。

電報を送りたい! 送り先と、送るタイミング

さてここからは、実際に弔電を送る場合のやり方について解説していきます。
ここで解説するのは、

・いつ送るのか
・だれに送るのか
・送る方法と、そのやり方

です。

【弔電を送るのは「訃報を受け取ってからすぐ」です】
通夜や葬式・告別式では、受け取った弔電を紹介する時間が設けられているのが一般的です。そして通夜は、多くの場合、故人が旅立ってから1~4日後くらいまでには行われます。そのため通夜に間に合うように送らなければなりません。なお、電報は14時までの申し込みならば当日に、それ以降の場合でも翌日には届きます。
「どうしても通夜に届けられそうにない」という場合は、翌日の葬式・告別式に届くように送ってください。

【弔電の送り先は「葬儀会場」】
弔電の送り先の住所は、「葬儀会社」とします。葬儀会社の住所を記したうえで、「故〇〇様 ご遺族様」と書き添えるようにします。
重要なのは、「送り先は自宅ではない」という点です。現在の葬儀は葬祭ホールなどで行われることが一般的ですし、宿泊設備を持つ葬祭ホールも多く見られます。このような場所を会場に選んだ場合、ご家族は「通夜が行われる日の朝に自宅を出て、翌日の精進落としが終わるまで家に帰らない」という動きになることが非常に多いといえます。つまり、自宅に弔電を送っても、葬儀を終えて帰宅するまで確認できないわけです。

【送る方法は2通り】
電報は、「電話」あるいは「インターネット」を使って行います。なおいずれの場合でも、

・届け先の住所氏名
・届ける日時
・使う台紙
・送りたいメッセージ
・差出人の情報

が聞かれますから、事前に決めておきましょう。

下記で紹介するのは、NTTのサービスのものです。
電話の場合は、局番なしで「115」と掛けるとオペレーターに繋がります。すべての工程をオペレーターに相談しながらクリアしていけるので、初めて弔電を送る人はこの方法を使ってもよいでしょう。ただし電話による申し込みは、年中無休ではあるものの8:00~19:00までしか行えません。

インターネットを使った申し込みは、
1.会員登録
2.使う台紙の選択
3.届け先の住所氏名
4.送りたいメッセージ
5.差出人の情報
6.支払い
の手順で進んでいきます。

それほど難しいものではないと考えられるので、ある程度インターネットを使っている人ならば問題なくできるかと思われます。また、平日の9:00~17:00(※年末年始を除く)ならば、インターネットでの申し込みの場合でもフリーダイヤルで操作方法の説明を聞けます。電話番号は、0120-860-115です。

NTT西日本の電報サービスはこちらからどうぞ
▶https://dmail.denpo-west.ne.jp/p/P10000010P?disp&r=20221124184315842

NTT東日本の電報サービスはこちらからどうぞ
▶https://www.ntt-east.co.jp/dmail/guide/

またここではNTTの電報サービスを紹介しましたが、ほかにもいろいろな企業が電報サービスを取り扱っています。それぞれで台紙や料金が異なるので、気になる場合はこれらの電報サービスのページを見てみるのもよいでしょう。

現在の弔電のバリエーションについて~いろいろある弔電の種類

電報の歴史や弔電の性質、弔電の送り方について取り上げてきましたが、最後に「現在の弔電のバリエーション」についても見ていきましょう。電報・弔電も、実は時代とともにその選択肢が増えていっているのです。

・台紙にこだわる
弔電は、台紙にメッセージを入れて送るというやり方を取ります。現在ではこの台紙の種類が非常に多様化していて、刺繍を施したものや、押し花を使ったものなどが登場しています。もちろん、ごくシンプルな台紙も選べますが、個性的な台紙を選んでもよいでしょう。

・お香つきのものを選ぶ
「香典」という言葉に象徴されるように、かつては葬儀の席に実際にみんなでお香を持ち寄っていました。「香典=お金」となった今でも、お香が大切なものであることに違いはありません。このようなことから、弔電の種類のひとつとして、お香つきのものも登場しています。

・それ以外の物もつけられる
お香以外にも、プリザーブドフラワーやお盆をセットにできる弔電もあります。少しかわったところでは、オルゴールつきの弔電を扱っている企業もあります。このようなプラスアルファがつけられる弔電を送るのもよいかもしれません。

かつては「スピーディな伝達手段」として重宝された電報ですが、令和の世ではその立場は電話やメール、SNSのメッセージなどに取って代わられました。
しかしそれでも、弔意を伝えるための手段として、電報は長く生き続けています。

入って安心!さくらメイト

注目の新着記事

すぐにわかる!葬儀マナー

  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

-式中の作法・マナー
-, ,

© 2024 名古屋の家族葬は西田葬儀社【公式】