お葬式のギモン

葬儀に欠かすことのできない「お花」、その種類と基本知識

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葬儀に欠かすことのできないものとして、「お花」があります。
ここではこの「お花」をテーマに、

・葬儀で使われるお花4種類
・葬儀のお花、造花はあり? なし?
・葬儀でよく使われるお花

について解説していきます。

葬儀で使われるお花は3種類

遥か昔、ネアンデルタール人が仲間の墓にお花を捧げて弔ったことからも分かるように、お花は葬儀に欠かすことのできないものです。世の中にはたくさんの宗教・宗派がありますが、ご家族が「入れたくない」と意向を示さない限りは、いずれの宗教・宗派であってもなんらかのかたちでお花は葬儀に登場します。
なお、葬儀で使われるお花は下記の5種類です。

・供花
・枕花
・花祭壇のお花
・献花
・棺の中に入れるお花

それぞれ見ていきましょう。

・供花
「お供え物」として出されるお花であり、「きょうか」あるいは「くげ」と呼ばれます。差出人の名前が書いた札を差し込んだかたちで出されるのが基本で、脚のついた台に入れられることが多いといえます(※名札をつけないやり方や、脚なしの土台で出される形もあります)。葬儀を行うホールに飾られるものであり、弔意を示すためのものです。葬儀に参列している親族が出すこともできますが、「遠方のために伺えないが弔意だけでも示したい」「会社として出したい」などのような希望を受けて贈られることもあります。値段は、おおむね10000円・15000円・20000円に分けられます。また、2基を1対として出すこともあります。

・枕花
故人の枕元に飾るお花をいいます。葬送儀礼で使われるお花のなかでもっとも早く用意されることになるもので、まだ安置場所(自宅の場合は自宅)に故人がいるときに贈られます。この枕花は、基本的に親族あるいは故人と極めて親しく付き合っていた友人などが贈ります。一般の参列者が贈るものではありません。費用は、10000円~30000円程度です。

・花祭壇のお花
かつては白木で作った祭壇がよく使われていましたが、ここ20年ほどで「花祭壇」も非常によく選ばれるようになりました。花祭壇とは、文字通り花で祭壇を作るもので、華やかで優しい雰囲気を出すことができます。この花祭壇のお花は、専門業者が手配します。なおこの花祭壇にはたくさんのお花が使われますが、この費用は、「葬儀一式費用」のなかに組み込まれます。

・献花
献花はこれまで紹介してきた3つのお花とはまた異なる意味を持ちます。これはキリスト教の葬儀において、仏教の焼香・神道の玉串奉奠の代わりとして行われるものであり、祭壇(故人)にお花を捧げる儀式及びそこで使われるお花のことをいいます。葬儀スタッフが差し出すお花を1人1輪ずつ取り、祭壇の前まで歩み出て捧げる……というかたちを取ります。なおキリスト教の葬儀で行われる儀式ですが、無宗教の式でもこの献花を行うこともあります。献花の費用も、葬儀一式プランに組み込まれています。

・棺の中に入れるお花
葬式・告別式が終わる前に、棺の中にお花をたくさん入れることになります。この「お花を入れる工程」は、「ご家族・ご親族様だけで」としている葬儀会社もありますが、「一般参列者も含むかたちで、できるだけ多くの人に」としている葬儀会社もあります。この「棺の中に入れるお花」の費用もまた葬儀一式プランのなかに入っていますが、寄せられた供花のお花を抜き取ったり、花祭壇のお花を抜き取ったりして使う場合もあります。

葬儀のお花、造花はあり? なし?

お花の基本を知ったところで、「それでは葬儀に使われるお花として、造花はありかなしか?」について解説していきます。現在では非常にリアルな造花が作られており、実際にこれを使った祭壇も登場しています。かつては花輪(葬儀会場の前に出される大きな円状のお花)がよく使われており、これには造花がよく用いられていましたが、現在の葬儀は生花を使ってお見送りをするかたちが一般的です。花祭壇もまた、生花を使って行われます。
造花を使ってしまうと最後に棺に入れることができませんし、家に持ち帰って飾ることが難しいというデメリットもあります。また何よりも、生花の持つ美しく生き生きとした魅力は、最後のときを飾るのにふさわしいものだといえるでしょう。ちなみに、キリスト教の葬儀では必ず生花が使われます。

葬儀でよく使われる花について

最後に、「葬儀でよく使われるお花」と「葬儀では基本的には使わないお花」について解説していきます。

・菊
「仏花」とも呼ばれる通り、仏教において特によく用いられるお花です。ただ葬儀のお花に求められる「派手過ぎず、清楚で、花粉が散らず、香りも強くない」という要素をすべて満たすうえに、手に入りやすく、また可憐であるため、仏教以外の葬儀でも使われることがよくあります。

・百合
キリスト教の葬儀で、非常によく用いられる花です。ユリは聖母マリアを表すとされていることもあり、キリスト教における「特別なお花」なのです。たとえばキリスト教で使われる不祝儀袋には、この百合を印刷したものもあります。長持ちするため、特に供花として使われます。なお百合の花粉は一度ついてしまうとなかなか落ちませんが、葬儀に使われる場合は花屋などですでにこれを処理してくれている場合が多いといえます。

・胡蝶蘭
華やかで高価なイメージがある胡蝶蘭はお祝いの席でもよく使われるお花ですが、葬儀の席でも使われます。香りが弱く、花粉も少ないうえに世話の手間を掛けずとも1か月程度は長持ちするという特徴を持っているため、葬儀から帰った後の故人の住まい(仏壇など)を長く飾ってくれます。

・【番外編】榊
「榊」は厳密に言えば「花」とは言えないかもしれません。ただ、神道の葬儀で非常によく使われる植物であるため、番外編としてここに取り上げておきます。榊は邪気を祓う植物として知られています。神道の葬儀の玉串奉奠は、この榊に四手(四角い白い紙を連ねたもの)を結び付けたものを祭壇(故人)に捧げる儀式です。神道では枕飾りにも祭壇にもこの榊を使うことがあります。

・故人の好きな花
毒があったり棘があったり、香りが強すぎたり、ぽとりと花部分が落ちてしまう植物は、基本的には葬儀の場では使われません。たとえば、「花の王様」としてよく知られているばらなどは、「葬儀で使われないお花」の代表格だといえます。ただ、「故人が非常にばらを愛していた」「故人の子どもがばらを育てていて、故人はそれを見るのを楽しみにしていた」「自分が見送られるときは、ばらに囲まれたいと言っていた」などのような場合は、このような「葬儀におけるお花の常識」を曲げてでも故人の希望に寄り添うやり方を取る葬儀会社が多いといえます。お花に限ったことではありませんが、葬儀において一番大切なのは、「マナーや常識を守ること」ではなく、ご家族様や故人にとって悔いのないお見送りをすることだからです。
もちろん西田葬儀社でも、ご家族や故人の希望によりそってお花の種類を考えていきます。

人はお花の美しさに、昔から心ひかれてきました。数千年前の私たちの「ご先祖様」がお花を使って仲間を見送ったように、令和に生きる今の私たちも、お花を使って故人を見送ろうとします。そのお花は、ご家族や故人に寄り添いたいという気持ちの具現化したものだといえるでしょう。
気になる方はこちらの動画も是非チェックしてしみてください。

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  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

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