最近、宮型霊柩車を見なくなった理由 ~霊柩車を見たら親指を隠す?~

昔は霊柩車と言ったら【宮型霊柩車】が当たり前でした。
しかし最近ではあまり見なくなりました。それはなぜでしょうか?
今回は知られざる霊柩車の歴史についてお話いたします。

動画ではこちら。

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霊柩車といえば『宮型』! でも現在は……

過去には宮型霊柩車は日本国内で1000台以上稼働しているときもあり、霊柩車全体の70%以上が宮型霊柩車でした。
しかし時代とともに徐々に宮型霊柩車の割合は減っていき、2009年には宮型霊柩車以外の霊柩車の台数がその数を上回ってしまいました。
なぜ宮型霊柩車は減っているのでしょうか?

どうして宮型霊柩車は減ってしまったのか

時代の変遷とともに宮型霊柩車が減ってしまった理由は様々にありますが、大きく分けると2つです。

宮型霊柩車を作っている会社が減っている

宮型霊柩車は1台作るのに莫大なコストがかかります。
まず後部の宮型の部分ですが、こちらは一つ一つ職人の手彫りで作られており、大量生産ができないため大きな金額になります。
その職人は年々減少し、利用の需要が減っていることに加えて採算を取るのが難しいことから、宮型霊柩車を製造する会社は軒並み減ってきています。
特に宮型霊柩車製造の代表ともいうべき創業1920年の大阪の「セガワ株式会社」さんが2017年1月に破産されたというニュースは、葬儀業界に大きな衝撃を与えました。

また宮型部分の制作費だけでなく、通常仕様車からの改造コストが車両本体より高くなることも珍しくありません。
例として、名古屋の宮型霊柩車は前部分がTOYOTAのセンチュリーで、その本体価格は約1000万円ですが、センチュリーの後部座席部分を切り取り、宮型を設置する改造費は約1800万円もかかります。

見ると死を連想させるため、避けられる

宮型霊柩車に代わっているのがボルボやクラウン、センチュリーなどの高級車です。
これらの特徴は、外から見ただけでは霊柩車だとは分からないことです。
宮型霊柩車の場合、一目見ただけでご遺体を運んでいることが分かってしまい、見た人は死を連想させてしまいます。
ですので地域住民の方々の声もあり、徐々に減少傾向になりました。
その影響で、宮型霊柩車が乗り入れ禁止になっている火葬場もあります。
(名古屋の港区の第二火葬場など)

霊柩車を見たら親指を隠すのはなぜ?

「霊柩車を見たら親指を隠しなさい」と言われたことはないでしょうか?
よく言われているのが「親の死に目に会えなくなるから」ということですが、実はこれは違うのです。
親指を隠す歴史は古く、江戸時代にはこの風習がありました。
江戸時代では野辺のべの送りという、故人様を火葬する場所まで運ぶための行列を見ると、親指を隠していました。
その理由は親の死に目に会えないからではなく、さまよえる霊が人間の身体に入ってくる時、その入り口が親指の爪の間と言われていたため、悪い霊が入ってこないように親指を隠していたのです。

まとめ

宮型霊柩車に関するお話、いかがだったでしょうか?
最近はなかなか見ることがなくなりましたが、見ると彫刻の細かさや迫力に圧倒されると共に、日本の葬儀の歴史を感じることができます。
ただ、霊柩車をまじまじと見る機会は意外と少なく、出棺前に停車している時くらいしかありません。
そんな宮型霊柩車をYouTubeの動画で紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひご覧いただければと思います。

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