ご葬儀といって一般にイメージされるのは、実はほとんど仏式という文化のものです。
御焼香をしたり、お坊さんにお経を唱えてもらったり……というものはすべて仏式です。
神式でのお葬式にはこれらがない代わりに玉串奉奠というものがあります。
今回はそんな玉串奉奠にまつわるお話とマナーについてお話します。
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焼香はインドの文化?
神式での葬儀では焼香をしません。焼香はインド発祥である仏教の考えに基づいたものだからです。
日本発祥の神道では、焼香の代わりに玉串という榊の枝を神様に奉奠します。
榊という漢字を見ると、木偏に神という字が入っています。
榊は神様が宿ることができる依り代と言われており、古来から神様への捧げものとして用いられてきました。
玉串には紙垂という白いギザギザの紙がついていますが、このギザギザは雷を表しており、
②雷により邪悪なものを祓う
という意味が込められています。
玉串の捧げ方
それではこの玉串を捧げる方法を解説します。
①神職の方から玉串を受け取ります
右手で上から茎を包むように持ち、左手は葉を下から支えます。
それから玉串案(玉串を置く台)の前まで進みます。
②玉串を時計周りに45度回します
葉先を神前に向け、茎をこちらに向かせます。
③左右の手で持ち替えます
左手を下にスライドして茎を持ち、右手をスライドして葉を支えます。
左右の手の役割が入れ替わりました。
④時計回りに180度回転します
左右の手を入れ替えたら、時計回りに回転します。
茎側が神前に向き、葉先が自分に向きます。
⑤少し前に進み、そのまま玉串案に奉奠します
奉奠が完了したら、二礼 "音を立てないで"二拍手 一礼となります。
神社へ参拝する時、普通の拍手は「パンパン」と両手で音を立てますが、ご葬儀の際には「しのび手」といって両手を打つ寸前で止め、音を立てずに拍手する振りをします。
ゆっくりとそっと手を合わせるのがコツです。
まとめ
玉串奉奠の作法をまとめます。
②時計回りに45度回す
③左右の手を入れ替える
④時計回りに180度回す
⑤奉奠