葬儀社が教える遺影写真の選び方 5つのポイント

私たちは、葬儀に参列した時に、祭壇の中央に飾られる遺影写真を見て、故人の冥福を祈ります。また、葬儀が終わったあとも、遺影はずっと仏間に飾られることとなり、家族は遺影に映る生前の姿から、故人のことを思い出すものです。葬儀においても、その後の供養においても、いかに遺影選びが大切かがお分かりいただけるかと思います。この記事では、遺影写真に適した画像の選び方や、服の着せ替えや背景の差し替えなど、遺影写真に関するあれこれについて解説していきます。

遺影写真の選び方 5つのポイント

まずは、遺影写真に用いる画像の選び方について解説いたします。ポイントは次の5つです。

1.現物でも、データでも、どちらでもOK!
遺影選びでまず迷うのが「現物(プリントした印画紙)がいるの? それとも画像データでいいの?」というもの。結論から言うと、現物でも、画像データでも、どちらでも構いません。かつては写真アルバムから「これ!」という1枚を探し出すのが当たり前でしたが、最近ではスマホで撮影した画像の中から選び出すケースが増えています。

2.故人らしい明るい表情
まずは家族たちから見て「これが一番いい表情をしている」というものを選んでいきましょう。先ほども触れた通り、葬儀の時にはたくさんの人が遺影写真を見て、生前の故人の姿を偲びますし、葬儀後もずっと家族のそばにいることとなります。その人らしい表情をしたもの、そして、遺影を見るとついついこちらの心もほっとできるような、明るい表情のものを選ぶのが良いでしょう。

3.バストショットが望ましい
遺影に用いる元画像は、バストショットが理想です。バストショットとは胸から上を入れて撮影された構図のことです。これだと、顔から上と下にほどよい余白があり、バランスの良い遺影ができます。集合写真やロングショット(頭の先から足の先まで全身が映るサイズ)だと、画像加工の際に引き延ばしの度合いが大きくなり、写真全体がぼやけるおそれがあります。また逆に、クローズアップやアップショットなど、極端に顔に寄せすぎた写真だと、画面サイズに対して顔の占める面積が多くなり、全体のバランスが悪くなります。
拡大や縮小など、加工でごまかせる部分もありますが、可能な限りバストショットで撮られたものを選びましょう。

4.ピントが合っているもの
元画像を引き延ばす上でもう一つ大切なのがピントです。ピントさえ合っていれば、どんなに元画像のサイズが小さくても、引き伸ばしたあとの画像のブレが出にくくなります。通常、写真サイズで使われるのはL版(89㎜×127㎜)ですが、遺影で最も多く用いられるのは四切(254㎜×305㎜)です。L版では気にならなかったボケも、ピントがずれてしまっていると、四切サイズに拡大した時に画像全体がぼんやりしてしまうのです。

5.画質を落とさずにデータ転送。SNSでの送信はNG
画像データを葬儀社に預ける場合は、SDカードやフラッシュメモリのメディアにデータを保存して受け渡しをしましょう。あるいは、画質を落とさずにメールを送信することです。最近では、LINE、Twitter、FacebookなどのSNSによるデータ転送が当たり前になりましたが、これらは自動的に画質を落としてデータ容量を抑えて通信するようになっているため、画像データの転送に利用しないようにしましょう。

遺影写真の加工

気に入った画像が見つかったものの、そのまま遺影写真にするのは難しいというケースは実に多くあります。

「表情はいいけれど、服装がちょっと乱れている」
「背景に他の人が映り込んでいるのが具合が悪い」
「顔に影が差して少し暗い」

こうした問題点も、画像を加工することで、大きく改善されます。画像の加工でどのようなことができるのかを解説いたします。

服の着せ替え
ひと昔前の遺影写真であれば、黒の喪服に着せ替え加工するのが一般的でした。しかし最近は、明るい印象に仕上げるのがトレンドです。男性であればスーツ姿だけでなく、セーターやワイシャツなど、女性であれば礼服、着物、ジャケットブラウスなどさまざまです。淡い色であれば、青、紫、ピンクなどにしても違和感はありません。また、故人が生前に着用していた服を着せたい場合、代理の方にその服を来てもらい、故人の顔と合成することも可能です。

背景画像
背景画像を差し替えることで、故人の表情がよりはっきりと引き立ちます。単色やグラデーションの背景、青空や光が差し込むイメージなど、さまざまなパターンで組み合わせられます。海や山や川などを背景にすることもできます。また、ご自身がお持ちの写真の中で、「この背景を使いたい」というものがあれば、合わせてご用意下さい。故人の写真とご希望の風景の写真を上手く合成して、思い出の場所や旅行先などを背景にできます。

光の調整
写真は屋外で撮ったものが望ましいのですが、顔に影が差し込んでいたり、全体的に暗い場合も、加工によってある程度明るさを取り戻すことができます。ただし、極端に暗いもの、逆光で明るすぎるものなどは加工を施しても限界があるので、気を付けましょう。

汚れの除去
写真の原本を用いる場合、表面の汚れなどがそのまま遺影に反映されます。こうした汚れやゴミや劣化などもある程度であれば加工で隠すことができます。

額やリボンの選び方

最近の遺影写真はカラフルです。それは、画像の選び方や加工に加えて、額やリボンもカラフルになっているからです。ひと昔前の遺影は、黒縁の額に黒白のリボンといったものでした。しかし最近では、様々な額やリボンが人気です。額の素材は、木地、カラー、メタリック、模様入りなどがあり、色も、ホワイト、ラベンダー、ピンク、シルバーなどです。
額に合わせたさまざまな色のリボンも用意されています。リボンは、額のセンターから左右に垂らすのが一般的ですが、最近では額の左上や右上から斜めにかけるタイプも人気です。こうすることで左右が非対称となり、やや柔らかい印象を与えます。

西田葬儀社の遺影写真サービス

私たち西田葬儀社では、遺影写真に関するさまざまなサービスをご提供しています。

遺影撮影サービス
定期的に開催している屋台イベントの中で、遺影用の写真撮影ブースを開き、写真を趣味とする弊社社長が本格的な機材を用いて撮影いたします。決してプロのカメラマンというわけではありませんが、ご自身で撮影したものよりも高いクオリティに仕上がり、多くのお客様から好評をいただいております。一般的な遺影写真は、既存の写真を切り抜いて加工しますが、事前に遺影用に撮影した方が美しく、自然な写真になるのでおすすめです。
イベントで撮影した写真は、その場でエンディングノートに添付してお渡ししております。

遺影クラウド保存サービス
遺影用の画像データを西田葬儀社にお預けいただき、クラウド保存することで、スマホやパソコンを用いていつでもどこからでも画像にアクセスできます。
また、事前に遺影を準備しておくことで、いざという時に慌てて写真を探す必要がありませんし、仮に生前に遺影を準備していたとしても、クラウド保存することで自身で保管しなくてもよいので、安心です。

いかがでしたでしょうか。
時間に余裕がある内に、ゆっくりと遺影にする写真を探すことで、いざという時に慌ただしい思いをしなくて済みます。また、最近人気の生前の遺影撮影をすることで、本人も、そして家族も納得できる一枚を準備できることでしょう。

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