式中の作法・マナー

【動画で1分チェック!】葬儀社スタッフが教える、焼香作法と数珠の持ち方【浄土真宗】

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宗派によって異なる焼香作法。
今回は浄土真宗の作法とそれにまつわるお話を解説いたします。

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真言宗の焼香作法

真宗大谷派(お東)

①焼香回数は2回
②摘んだお香は額に掲げ上げません

本願寺派(お西)

①焼香回数は1回
②摘んだお香は額に掲げ上げません

真宗高田派

①焼香回数は3回
②摘んだお香は額に掲げ上げません

お香を掲げない浄土真宗

焼香というとお香を自然と額に掲げ上げる方は多いですが、浄土真宗では「渡し焼香」と言って、お香を摘んだらそのまま炭にくべます。

掲げ上げない理由は、浄土真宗の考えでは故人様が亡くなられた瞬間に仏様である阿弥陀さまがお救いに来てくださり、それによって故人様は即往生していると考えられているためです。

つまりお葬式をしている最中にはもう阿弥陀さまの助けによって極楽浄土にいらっしゃる、というのが浄土真宗の考え方です。
額に掲げ上げるというのは故人様の往生を祈る意味合いも含まれているため、もう既に往生しているのですから、それを改めて祈る必要はないということです。

浄土真宗の数珠の持ち方

各宗派によって焼香回数は違いましたが、数珠の持ち方は同じです。
ただし、数珠が一連のものである場合と二連のものである場合によって掛け方が少しだけ違います。

一連数珠の場合

一連の場合はまず左手に通し、それから親指と人指し指の間に掛けて数珠をたらします。

二連数珠の場合

二連の長い数珠では少し持ち方が変わります。
左手に通すのは変わりませんが、親玉と呼ばれる少し大きな珠を親指の付け根の所に持っていき、手の甲から房が垂れるようにします。

そして合掌する際は、いずれも数珠の中に手を通します。

お西?お東?

同じ浄土真宗でもさまざまな宗派があり、代表的なものは2つです。
1つは真宗大谷派(お東)、もう1つは本願寺派(お西)です。

真宗大谷派の焼香回数が2回である理由は

・ご本尊である阿弥陀如来に向けて行う一回
・生きている人達に向けて行う一回

という意味に分かれて2回となっています。
ポイントはどちらも故人様に向けたご焼香ではないということです。
ちなみに本願寺派は1回、真宗高田派は3回と回数は違いますが、こちらも故人様に向けたご焼香ではないことは同じです。

そもそもなんで西と東に分かれてるの?

通名の由来

浄土真宗は元々、同じ宗派でした。
現在の京都駅の目の前にそれぞれの本山が向かい合って建っており、ご本尊である阿弥陀さまはもちろん、お寺の大体の造りも非常に似ています。
この向かい合った本山の位置関係によって

真宗大谷派の本山が東側にあるから通称・東本願寺(お東)
本願寺派の本山が西側にあるから通称・西本願寺(お西)

と呼ばれるようになりました。

きっかけは戦国乱世!?

同じ宗教だった浄土真宗が分かたれる契機が訪れたのは戦国時代のことでした。
当時、浄土真宗のある教団が各地で一向一揆を起こし、宗教で集まった組織でありながら強大な力を持っていました。その力を恐れたのは戦国武将たちです。
あの織田信長でさえ一向一揆には相当苦しめられました。

そんな中、豊臣秀吉によって浄土真宗から追放された教如がいました。
その教如が徳川家康の支援によって興したのが真宗大谷派と言われています。
つまり浄土真宗の東西を簡単に言い表すなら豊臣秀吉派(西軍)か、徳川家康派(東軍)かということです。
偶然かもしれませんが、まるで関ヶ原の戦いのように思えてきませんか?

一つのマナーが意外なところに繋がっている……そんな浄土真宗のお話でした。

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蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

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