西田葬儀社の浅井です。
葬儀担当者として念頭に置くのは「飛び込む」ということ。お客様の気持ちに。
そう教えられましたし、今、尚、肝に銘じています。
お葬式というセンシティブな現場において、
厳しい言い方をすれば自らに言い訳をしてお客様と距離をとることはたやすい事だと思います。
それでも、反応が良くないかもしれないな、と思いながらも、どんな方だったのか、
どんな風に送りたいのか、故人様にしろ、喪主様にせよ「知ろう」とする姿勢は大事だと思います。
と、言いながら逆も然り。
あれこれと詮索せず、必要な想いは汲み取るが、
付かず離れず、適切な距離感を保ち続けるのも当然に重要です。
矛盾しているようですが、そういうものだと思います。相反するものの二面性、というやつですかね。
先日送らせていただいた方。
ご年配というわけではなく、私より一回りくらい上の方のご逝去。
喪主は故人様のお兄様が務められました。
このお兄様、いかにも会社の重役という方で、なんでも気さくに話される方、ではありませんでした。
もちろん、困ったりもしませんでしたし距離感を意識し続けお手伝いをしたつもりではあります。
最後、お別れの場面でお兄様は馬鹿者!と少しだけ声を荒げました。
他の言葉は無かったように思います。
罵詈雑言でもちろんはなく。気持ちを込めて、気持ちが溢れてというのが正しいと思います。
なぜ、こんなに早く。
そんな言葉が続くようでした。
私は、割と話すことで気持ちを伝えるタイプですが、
語らず、気持ちを胸に留める男らしさをその時垣間見ました。
自分が葬儀をお願いするのであれば。
余り距離が近すぎず、かといって必要な時には傍にいて、十二分にアドバイスをくれる。
気持ちの温かな人が。
そんな担当者がいいなと思って日々精進しています。
名古屋の葬儀担当者の触れた物語 7